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窓から差し込む陽射しが暖かく感じられる中、簡単にベッドメイキングをしたあと花梨はスマホを手に取った。
部屋着に着替えながら器用にスマホの画面を操る。着信はメールだった。
画面を開くと、今しがた鳴った通知音とは別にもう一通の履歴が届いていた。
こんな朝早くから誰だろうと画面を開くと、差出人は陽菜と青葉からだった。思わず階下に降りることも忘れ、花梨はベッドに腰掛ける。
最初に来ていた陽菜からのメールを開くと、青葉さんとお話し出来た? 何か言ってた? 返事はまだだよね? もう気になっちゃて昨夜は眠れなかったよぉ~と、陽菜らしい台詞がずらっと書いてあった。気になっている様子が文面からもひしひしと伝わってくる。
陽菜にはあとで進捗のメールをしてあげよう。それには先ず青葉さんからのメール内容を確認しないと返事も出来ないよねと、花梨はドキドキしながら次のメールを開いた。
― 昨夜は遅くまで付き合ってくれてありがとう。
あのあと、すぐに寝ちゃっただろうなって思いました。もう半分寝ていた感じだったからね……。長電話なんて久しぶりだったから楽しかったよ。
で、電話を切ったあとすぐに純から連絡があったんだ。いつまで電話しているんだって叱られたよ。
正直に青山さんと話をしていたんだって言ったら、もしかして陽菜ちゃんのコト? って急にしおらしくなって笑えた。純も陽菜ちゃんを誘ったのはいいけど、断られたらどうしようって悶々としていたみたいだ。
ここからは俺の勝手なアドリブで、青山さんには陽菜ちゃんから相談あったみたいでさ、これこれしかじかこういうわけで、皆でクリスマスは出掛けようって提案したら純も賛成してくれた。
もちろん、俺が青山さんに皆で食事でも……って送ったメールが先で、青山さんが陽菜ちゃんを誘っていたことも話しておいた。
そうしたら純のやつ、めちゃめちゃ安心していたよ。だから陽菜ちゃんから返事が来なかったんだ、ダブルブッキングで悩ませちゃったのかぁ……ってね。ま、万事解決ってことで。
クリスマスは明後日だから、純と打ち合わせして明日には時間と集合場所とかを改めて連絡するよ。
じゃあ、陽菜ちゃんにもヨロシク!!
青葉 ―
すごい!! やった!! やっぱり青葉さんにお願いして良かった!! と、花梨がベッドから万歳して立ち上がると、階下から「もう、いつまで着替えているの!! 早く降りてきなさーい、ベーコンが焦げるわよー」と、母からの怒声が響いた。
嬉しさの余韻に浸る間もなく、花梨は慌てて部屋を飛び出していた。
陽菜、あとですぐに連絡するからねと心の中で呟きながら。
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