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やがて高校を卒業して、大学に入学して新しい生活が始まった。 彼女のいない人生はさも当然のように過ぎていった。 僕は淡々と毎日を過ごして、ふとした時に彼女のことを思い出した。 人並みに誰かと付き合い、就職し、働いても、何かが足りなかった。 誰かと一緒にいても、その仕草や言葉に彼女を重ねてしまい、純粋に誰かを好きになることができなかった。 そうして僕は、無理して誰かと一緒に生きようとするのをやめた。 ひとりになると不思議なもので、彼女のことを思い出さずにすんでいた。 (だけど、また思い出してしまった)   彼女は明るくていつも笑顔で、友達がたくさんいて、みんなのリーダーみたいな存在だったのに、本当は寂しがりやで可愛らしい女の子だった。 だから、きっと寂しいのだろう。 同窓会で会った時、何かの折に電話した時、みんなが彼女のことを過去の話のように話す。 だから、僕までもが彼女のことを忘れて、前に進んでしまったら彼女がかわいそうだ。 手をかざすと、冷たい雪が触れる。 __と、次の瞬間には溶けて消えてしまっていた。
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