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冷たいビルが建ち並ぶこの街では、冷たい雪も珍しくないが、海辺にあるふるさとでは滅多に見ない景色だった。 冬になっても薄手のジャンパーさえ着れば平気で外に出れるようなそんなところだった。 僕と彼女は、そんな小さな田舎町で育った。 小中高と同じ学校のいわゆる幼なじみという関係だった。 男女でグループが分かれ始めてからは、違うクラスになれば話さない程度の中だったが、視界に入ればつい目で追ってしまうような存在だった。 高校2年の時、久しぶりに同じクラスになってまた話すようになり、僕は自分の気持ちに気がついてしまった。 彼女も僕と同じ気持ちかもしれないと思うようになったのは、3年でクラスが離れてからも、帰り道や廊下で会う度に長く話す僕達を友人がからかうようになってからだった。 僕を見つけて笑顔で手を振る姿や、僕の一言に顔を赤くする姿が愛おしくて、だけど勘違いかもしれないと考えると想いを告げる勇気は出なかった。
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