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電車のドアが開く度に、冷たい空気が流れ込んで来る。
私たちも売れないアイドルグループだったので、いつも電車移動だった。
衣裳の入った大きなバッグを抱えて、普通に電車に乗ってた。
それでも誰も気付かなかったけど、今はすぐにバレるからって事務所が専用の車を準備したらしい。
樹のおかげで私の理想の形が出来つつあった。
アランのある駅に着いた。
私はコートのポケットにスマホごと手を入れると改札を抜ける。
終業式の後、行ったばかりなので場所もわかる。
あれ…。
わかる…筈。
あれ…。
アランの看板が見える筈の路地に立つ。
だけど、そこにアランが無い。
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