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7.最終学歴は幼卒か!?
ダッジさんに案内され、材木屋にたどり着いた俺。ここへ来る途中、かなりの注目を浴びた。恐らく、着ている作業着が珍しかったんだろう。
作業着はポケットがたくさんあるベストに、下は「ニッカポッカ」という、ゆるく太いボトムで裾の先には絞りがある。ついでに上下とも黒。
町の人々の格好は、マジな「the村人ファッション」で異世界として違和感ゼロ。
「ここが材木屋さんだよ!」
「おおー! 想像以上にちゃんと製材されてる!」
でかい倉庫のような材木屋には、大小様々な柱や梁、細い部材からベニヤまで、きちんと揃えられていた。町を見る限り木造が主流っぽいから材木屋も、おのずとしっかりしているんだろうな。
外から材木屋を眺めていると、中から1人の女性が出てきた。
「あ、ダッジさん! 来てたんですね!」
その女性がダッジさんの元に駆け寄ってくる。
「やぁ、マリンちゃん。うん、野菜持ってきたんだよ」
「嬉しい~! お昼休みになったら、買いに行きますね!」
「急がなくて大丈夫だからね。今日はいつもよりたくさんあるから」
終始、空気になって2人の会話を聞く俺。……なんだ?これがダッジさんの言っていた、可愛い材木屋の娘か?
……She is perfect woman!!
完璧過ぎる、超絶可愛い!!
元世(俺の元の世界)にある「世界の美人女性100選」にダントツで1位確定。美人っていうより、やっぱ可愛いが適切。ダッジさんに駆け寄る際に、母ちゃん乳牛ですか? ってくらい弾みまくっていた巨乳。
服で隠れているが、そんなもん俺クラスなら瞬時にカップサイズは判明する。……Iだ。
身長は、165センチくらいの8頭身。服装はシャツ1枚に短パン。半分脚やないかい!!
脚綺麗過ぎ!! 石像でも再現むずいぞ!! 顔ちっさ!! まつ毛なっが!! 褐色で大きな瞳に、パッチリなタレ目が鬼キュート!!
髪型は茶髪ロングで、サラサラストレート&俺のドストライク!!
腰のくびれと、ほどよく肉付きの良いお尻が生み出す曲線美は、まさにあのダビンチも見たら一撃で昇天するくらいの芸術作品!!
ダッジさん、あんたこの子を「可愛い」の一言で表現しようとしてたけど、どういうこと!? 語彙力無さ過ぎだろ!!
最終学歴は幼卒か!? 就活で面接来たら、逆にその根性買って採用したるわ!!
そして内面。消臭剤の原液をバケツいっぱいに溜めて、頭からぶっかけたいくらい臭うダッジさんの加齢臭を間違いなく彼女は被爆している。
それにも関わらず、顔色一つ変えずに会話を交わす心意気。ダッジさんの心が富士山の湧き水なら、彼女の心は、天空に浮かぶ城のど真ん中に祭られるクリスタル!!
女神なんて必要なかった!! いや、本物の女神はこの子だったんだ!!
「こちらの方は、どなたですか?」
「ああ、彼はケンシロウ君といって」
俺の脳内の妄想がうるさ過ぎて、2人の会話が全然聞こえん!! え? 彼女が近づいてくる!!
「変わった服着てるんですね!」
近い近い近い!! なにその良い感じのアヒル口は!? 反則だろ!!
元世でやっていた、複数の男女が一緒に生活しながら恋人を探す企画に参加してたら、嫉妬に狂った女性視聴者にネット炎上させられて自殺しちゃうレベルの反則!! 絶対君はテレビ出ちゃダメよ!!
ってか肌めっちゃ綺麗やな……。これ化粧したら逆に汚れるだろ!! 歯も真っ白!! ちゃんと飯食ってます!? そしてマリンちゃんから、微かに漂う甘い香り!! シャンプーなんてこの世界にあるの!?
彼女自身の匂い!? ダッジちょっと離れろ!! 加齢臭が邪魔だ!!
そして、彼女が俺に接近してからここまでの妄想は、時間経過で言うと約0.001秒。日本が世界に誇るスーパーコンピュータ「京」の作成者が、俺を研究対象として拉致するんじゃないかってくらいの思考速度。それにより、俺の脳内の糖分は全て消耗し、猛烈にチョコが食いたいという欲求が湧いてきたのと同時に、判断能力は一気に低下。……そしてやらかす。
「マリンちゃんのおっぱいに顔うずめて、もふもふしたい……」
妄想の言葉が口に出る。目の前のマリンちゃんの頬が、みるみる完熟した桃のように赤く染まり、恥ずかしがるように両手で口を覆った。
ダッジさんは、アカスリでも一瞬で行ってきたんか? って思うくらい、顔が青白く血色が悪くなっていく。マリンちゃんの視線がゆっくりと下に向かう。
その先には、彼女が近づいたことにより、俺のサムが確変を起こしてパチンコ屋を出禁になるくらいパンパンに膨れていた。
この先、どうなるのか「天才」の俺が導き出した至高の答え。
俺の異世界転生ライフ終了。
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