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その真琴の変化に僕の心臓の鼓動も次第に早くなっていく。
いつもは男前の真琴が、潤んだ瞳で少し口を開いてベッドに座ると、僕に向かって両手を広げた。
『来て・・・』
その甘えるような声と仕草、そして何より発情したフェロモンを含んだその甘い香りに、僕の理性も崩壊する。
僕は誘われるまま真琴を抱きしめ、ベッドに沈めるとその唇にキスをした。そしてそれを合図に事が始まる。
どんどん発情していく真琴のその香りと色気に煽られた僕は激しく唇を合わせながら真琴の熱くなった身体をまさぐり、下肢を扱き、そして柔らかく解れて濡れそぼったその小さな窄みへと指を這わせる。真琴は唇を奪われながらも僕の指に敏感に反応し、身体を揺らしてさらに太くて熱いものを求めてくる。我慢できなくなった真琴は足を大きく開いてかわいくて勃ち上がったものを僕に擦り付けて、早く入れて欲しいとねだってくる。
その姿はとても妖しくて艶めかしく、僕の心を揺さぶってくる。
なんてかわいいんだろう。
嫌いになるなんてとんでもない。
普段は決して僕に頼らず、求めず、自分一人で何でもしてしまう真琴が、僕を求めて目を潤ませ、腰を揺らしている。その姿が堪らなくかわいくて愛しい。
僕は夢中になって真琴を抱いた。
発情期に前戯などいらない。僕は急いでゴムを被せ、真琴の後孔にその身を沈めていく。そして仰け反る真琴のさらに深くに腰を打ちつけ、真琴が欲するまま何度もその腰を動かす。
今まで何人もオメガとベッドを共にしてきた。けれどこんなにも愛しく、熱くなったことは無い。確かに今までの子と発情期を共にしたことは無かったけれど、それを差し引いても、こんなにも僕の心を捉えたものはいなかった。
こうして真琴との激しい発情期は、僕の彼への思いをさらに深めることとなった。
かわいくてかわいくて、このままずっと抱き合っていたいと思っていた発情期も終わりに近づき、その香りがいつもの香りに戻ってしまう。
激しい交わりに疲れて眠っている真琴の香りを確かめて少し残念に思っていると、ふっと真琴が目を開ける。今まで発情の波に飲まれ、本能のままに欲情していたその目に理性が戻り、自分の置かれた状況を把握した時のその恥ずかしそうな表情に、僕はまた心を撃ち抜かれる。
ああ、どうしてこんなにも愛おしいのに、嫌いになんてなれるんだろう?
僕は発情期が明けて目覚めた真琴を抱きしめ、そして耳元に囁いた。
『愛してる』
ぎゅっと抱き締めると、遠慮がちに僕の背にも腕が回される。真琴が僕を抱き返してくれているんだ。その腕の温かさと、発情期から抜けたいつもの真琴の香りと共に真琴の思いも伝わってくる。その思いが僕に向いていることを感じ取ると、散々今までしていた僕の下肢は再び熱を帯び、固く猛ってくる。
その熱を感じて戸惑う真琴にもう一度愛してると囁き、僕は再び真琴を組み敷いた。
こうして僕は一目惚れの初恋も破れることなく、成就させることに成功した。
そして恋人に昇格した僕はその後もずっと真琴への思いを変えぬまま、大事に大事にその愛を育んでいった。そして僕の思いと同じくらい真琴の僕への思いも感じていた。
僕達は間違いなく愛し合っていたんだ。
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