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「部活に関するパターンとかどうですか?」
「部活ね」
「図書室を使うといえば、漫画同好会です。村川先輩は同好会の生徒の忘れ物を発見した。それはすぐに取りにこなくてはいけない重要なものだった。たとえば自作の漫画のネームだとか。アイデアに関するものなら、たとえ雪が降り積もっている中でも取りに来る可能性が高い」
「なるほど」
余裕のある村川先輩の表情がハズレだと物語っていた。かなりいい線をいったと思ったのでかなり悔しい。
「分からないみたいだね」
「分からないですよ。こんな雪の日にどうしても図書室に来なくちゃいけないやつのことなんて」
「降参かい?」
悔しいけど、これ以上考えても答えらしい答えには辿り着けそうにない。
「降参します。……教えてくださいよ。先輩の根拠を」
「私にだって本当に来るかどうかの確証はないんだ。来た時に本人に直接訊けばいいじゃないか。どうしてこんな雪の降り積もっている日にわざわざやって来たんだ、って」
「それはそうですけど。ていうか俺の負けなんですからお菓子くださいよ」
「ちゃんと覚えていたか」
「別に無理にねだったりはしませんけど」
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