「雪の日に」

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「それで人助けですか?」 「可愛い後輩に泣きつかれたら代らずにはいられないからね」 「別に足立は泣きついてはいないでしょう」 「どうかなー?」 「もう好きにしててください」  あまり口うるさく真面目にしてくれと言えないのは、村川先輩が去年までの図書委員長であり、すでに図書委員を退いているからだ。  有名大学の推薦を朝飯前と言いたげにあっさり勝ち取ったのは、優秀な成績だけに留まらず、図書委員時代に遺憾無く発揮したリーダーの手腕を買われたからに他らない。  色々と世話になった手前、彼女が生まれながら兼ね備えているフランクさに付け入ってもあまり失礼なことは言えないのだ。 「こんな日に代打とはついてないですね」 「他に代わりはいなかったんだ仕方ないよ。久々の図書委員の仕事も悪いものじゃない」
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