「雪の日に」

6/12
前へ
/12ページ
次へ
 へんてこなルールに首をかしげつつも、よほど暇なのだろうと納得した。別にお菓子がどうしても欲しいわけではないし、本当に好きな人もいないので、勝ちにいっても支障はない。ただ、人が来るかどうかを待つだけでは淡々と流れる時間を暇のまま過ごすことに変わらないので、こちらから一つ条件を付け加えた。 「誰かが来ると言い張る、先輩の根拠を当てたら俺の勝ちにしましょう」 「いいね。それでいこう。何かいいアイデアがあるのかな?」 「そうですね……。無難なところでいけば、どうしても今日返さないといけない本があるとか」  降雪の予報を知らなかったということもある。真面目なものなら期限は必ず守りたいだろうし、多少の無理をしても返却をしようと試みるものはいるんじゃないかと思った。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加