掲示板

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 やって来ました商業ギルド。最近貨幣交換しか利用していなかったので、今回は掲示板を観ることに。  そして、張り出されている依頼の中に身に覚えのある依頼が一つ。 『求む。巨大ぬいぐるみ。金貨十枚』  あー、もしかしたら露店で一度だけ出したぬいぐるみが気に入って、他にも無いか探しているのか。  これは嬉しい誤算だ。種類を揃えれば全部買い取ってくれるかも? 「ぬいぐるみのご依頼ですね。此方は、かなりの大きさがあるぬいぐるみでないと、報酬が減ります。変わりに数が多ければ報酬が上乗せされます。宜しいですか?」 「大丈夫です。大きさは把握しているので」  依頼を受けて、銀貨を払いリヤカーを借りる。軽いが嵩張るので運びやすさ優先。  裏路地で店舗を出してラインナップの巨大ぬいぐるみを全種類選択する。金貨一枚で数体。それが金貨十枚以上に化けるとか、ぼろ儲けも良いところ。  目的地はやはり貴族の館で、どでかい。巨大ぬいぐるみが何体居ようと全く問題ないな。門番に玄関まで誘導され呼び鈴を鳴らせば、出てきたのは見たことあるメイドさん。 「あの時の露店のかたですね? お嬢様が買ったばかりのぬいぐるみを、お茶会でお友達に自慢して又手に入ったらあげるなどと、不確かな約束をしてしまい困っていた所です」 「丁度良かったみたいですね。一応、あの時のぬいぐるみと、更に種類の違うものを幾つか用意しております」  リヤカーに満載されたぬいぐるみ達に目を向け、メイドに見せる。 「まあ、こんなに。お嬢様に確認して頂かないといけませんね。応接室にご案内します、着いてきてください」  リヤカーを玄関前に置き、メイドに着いていく。応接間に着くと、ソファーを進められて座る。お茶とお菓子を出してくれて、しばらく待機する。  ぬいぐるみは、他の従者達が応接間に運び込んでくれた。お茶を飲み干した辺りで、漸くお嬢様が現れたので席を立つ。 「待たせたわね。あの巨大なぬいぐるみ、街の店をくまなく探させたのに見つからないから焦ったわ。依頼を出して正解ね」  猪突猛進なお嬢様だな。俺はぬいぐるみの前に移動する。 「此方にあるのが今お出しできる種類になります。お気に召すぬいぐるみは幾つございますか?」 「全部頂くわ。お友達に好きに選ばせられるなんて豪勢ですもの」  お嬢様はメイドに目配せして袋を運ばせる。机に置かれた袋から硬質な音が響く。金貨だな。 「ご苦労様です。報酬は此方になりますわ」 「ありがとうございます」  袋を受けとり中に金貨が入っているのを確認して退出する。メイドに玄関先まで見送られサインを貰い、門番に挨拶してから屋敷を離れる。  商業ギルドにリヤカーを返して、サインを渡す。まだ時間があるから他の依頼も観てみよう。
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