画匠

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 ***** 「被告人、貴方はナチス占領下の時期において我が国の貴重な文化財であるフェルメールの真筆を画商として敵に売り渡しましたね?」 「いいえ」  被告席に立つ髪も白くなり(やつ)れ切った男はそれでも顔を上げて誇らかに続けた。 「あれはフェルメールではなく他ならぬ私が描いた絵です」
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