悲しい夢を見たの

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悲しい夢を見たの

あたしが子どもの頃、 庭にのら猫、5匹くらいね、 懐かせてたのね。 その中でも1番の古株の、 毎年うちの庭で出産してた母猫が 夢に出てきた。 最後に母猫に会ったのは、 あたしが中学一年生くらいの時。 夜の戸締まりを あたしはしていたのね。 締めようとしたら、 母猫が来て、 エサくれってやって来たのね。 あたしはもう半分、戸を締めてたから 面倒くさくなって、 エサをやらずに そのまま戸締まりをしたの。 それ以来 母猫は来なかった。 たぶん死んだの。 あたしはそれをずっと後悔してた。 でもね、さっきの夢でね、 母猫が瀕死の状態で、 あたしに会いにきたの。 ありがとうって母猫があたしにお礼に来た。 そしてすぐゆっくり横になって、 少しずつ生き絶えた。 あたしはね、 ごめんねあの時、 エサやらずに戸を閉めてって言いたかった。 ありがとうなんて 言われる資格ないのに、 母猫はありがとうを言って逝った。 あたしが、 あの時はごめんねって言う前に、 伝える暇さえなく。 そんな夢見た。 給食の残りのパンの耳くらいしか、 あげれなかった。 あの子、母猫に夢でも会えてよかった。 あたしのせいで死んだとは 思ってないの。 寿命。 ただ、最後だったからこそ、 最後に面倒だと思ったあたしがいやでね。 明日でいっかって思ったの。 明日は来なかった。 今がどれほど大事な日々か。 あの時母猫に教えてもらったんだと思う。 居てくれてありがとう。
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