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乾いた声にハッとした。知らず私は嗤っていた。 魔女とはなんとすばらしい存在なんだろう。力をもち、公平で、社会への滅私奉公が義務付けられる。遊ぶこともなく、プライベートなど存在せず。よかれと思った行動で忌避の視線が向けられても。助けようと伸ばした手が萎縮と恐怖に拒否されても。
怒ることは許されず、悲しむことは制限され、拒否は認められず、権利はそもそもから存在しない。
それが、社会が許す魔女の姿だ。
私は許されるのだろうか。
涙を流す両親は。完璧な笑顔の公平君は。バスの運転手は。担任の先生は。クラスメイトは。
……許されたいのだろうか。
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