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僕は職場全体を見渡した。広いフロアにたくさんのデスクが並んである。壁に目を向けるとカレンダーが目に入った。2022年と書いてある。
僕は大体9年くらいあの部屋に閉じ込められていたんだ。その時間の長さを考えると、今僕がここにいるのは、奇跡に近かった。
雑貨屋さんで売られていた時にいた他の時計たちで、残っているのは、もう数えるくらいだろう。黄色や緑、ピンクの時計たちは、まだどこかで活躍してるのかな?
僕はもう一度、命を輝かせるチャンスをもらった。もうやるべきことは1つしかない。
正確に時を刻み、みんなに伝えていくこと。
僕はお父さんとその隣にいる後輩さんの顔を見ながら、決意した。
みんなが僕を見上げてくれる。役に立てるって、本当に素晴らしい。そしてありがたい。
僕は今日も時を刻む。
みんなが永遠の1秒を無駄にしないためにも。
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