ようこそ

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 数時間後、お父さんが1人で帰って来た。そしてお兄ちゃんを呼んで、携帯の画面を見せた。 「見てごらん。さっき生まれたばかりの赤ちゃんだよ。君も今日からお兄ちゃんだね」 「うわー。しわしわだねー」 「生まれたばかりの時は、みんなしわしわなんだよ」  2人は携帯の画面を食い入るように見つめて、笑っていた。  そうか。無事生まれたんだ。元気な男の子。よかった。今日からもう1人、家族が増えるんだね。  僕は安堵と喜びに包まれながら、2人の様子を柱の上の方から見ていた。  数日後、お母さんが帰って来た。腕にはまだ生まれて間もない赤ちゃんが抱えられている。  赤ちゃんはリビングに用意していた柵付のベッドに寝かされた。みんなが集まって、新しい家族をまじまじと見ていた。お兄ちゃんはお父さんに抱えられ、初めて会う弟に興味津々だった。  赤ちゃんは目を開けているものの、みんなと目を合わせることはなく、一点をじっと見つめていた。  お兄ちゃんはさっそく、自分が大切にしているおもちゃを次々と弟のベッドに入れていた。お父さんとお母さんは、隣で笑いながらそれを見守っていた。  いいなぁ。温かいなぁ。  僕はチクタクと音をながらしながら、心温まる光景を別の部屋から見ていた。
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