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 次の日から慌ただしい日々に戻ったが、家族は協力し合って生活を営んでいた。  家事はおばあちゃんとお母さん、育児はお母さんとお父さん、お兄ちゃんは一生懸命遊んだ。お兄ちゃんの相手は、お父さんだ。  やがてお兄ちゃんは幼稚園に通うようになり、弟くんはベッドの中でバタバタし始めた。何か不快なことがあると、力いっぱい泣き、お母さんを呼んだ。おばあちゃんもお父さんも、3人で協力して小さな弟くんを育てた。  お兄ちゃんも毎日弟の側に来ては、大切なおもちゃを変えてあげた。弟くんは訳も分からず、それをお腹の上に置かれていた。  子供の成長は早いもので、弟くんはゴロゴロと寝返るようになり、やがて1人で座れるようになった。しかしまだバランスがうまくとれずに、ひっくり返ることもしばしば。その都度泣き叫び、お母さんに抱かれていた。  みんながみんな、協力し合って生きている。その光景が堪らなく温かかった。僕はあまり見向きされないけど、みんなと同じ時を過ごせるこの場所にいられるだけで、すごく幸せだった。
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