そして、ありがとう

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 この日はみんなが集まっていた。僕の知ってる5人だけじゃなく、親戚の人も。  その日はお正月の真っ只中で、たくさんの人がおばあちゃんの家に集まっていたのだ。  そこでお父さんが気がついてくれた。どうやら職場の時計が壊れてしまったらしい。その代役として、僕を思い出してくれた。  ありがとう。お父さん。  僕は再び刻み始めた。お父さんの職場で。 「主任、どうしたんですか?この時計」 「可愛いじゃないですか!なんかオシャレだし」  15年以上前の時計である僕を、お父さんの職場のみんなは褒めてくれた。 「家にあったのを思い出してね。次のが来るまでの代役だけどね」 「いや、この方がいいっすよ。機械的な時計よりも、俺は好きですけどね」  お父さんの後輩の1人が僕を見上げていた。お父さんもその人の隣で、僕を見上げた。その顔は、どこか誇らしげに見えた。
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