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「ここ、どこだろう?」
僕が隣の時計に尋ねた。僕は白色だったが、隣の時計は淡い黄色だった。
「デパートの雑貨屋さんみたいだね。時計の他にもおしゃれな文房具や財布、ハンカチなんかがあるし」
黄色の時計は答えた。
「大型のショッピングモールみたいだね。今はお客さんが誰もいないから、閉店した後だろうな」
僕の後にいる緑の時計が言った。
全てを並び終えると、売り場の電気が一斉に消えた。暗い店内は少し不気味だったけど、僕たちはそこで一夜を過ごした。
もしかすると、明日誰かにもらわれるかもしれない。大切に扱ってくれる人ならいいな。
僕はそんなことを考えながら、その夜はぐっすりと眠った。
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