理不尽

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 そんな冗談のような話が本当にあった。 聴き惚れるようなピアノの音色を奏でた岩館は難なくヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールに本当優勝してしまった。その後晴れて大学の作曲科に合格。ピアノの師匠と呼んでいた存在からは酷く残念がられたが岩館はあっさりとピアニストへの道を捨ててしまった。 ちなみに遙加は声楽科、大平と烏星は音楽環境創造科、秋月と岩館が作曲科。もちろん皆同じ大学だ。如月だけは私大の経済学部である。  しかし如月からの要求はそれだけではなかった。今度はバンドメンバー全員に向けて発せられた。 「せっかく大学生になったんだからみんな成績優秀者として卒業してね! その方が箔が付いてバンドの宣伝もしやすいのよ。よろしくね」 「「「「「えぇー…………」」」」」 ブルーローズは先を見通すプロデューサーによって仕切られるのだった。
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