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島のシャーマン2
束の間のドライブを楽しんだ3人はディメンションのテーブルを囲み紅茶を飲んでいた。
九条薫と田中聖修は九条が旅行で奄美大島に行ったときに知り合った。
田中の実家はシャーマンの家系。神や霊との交流を通してその地を災害や災厄から守っている。一族の中でも彼は神や霊と繋がる力が最も強い。歴代でも一二を争う程に。
そんな彼は九条と会った瞬間に九条薫が途轍もない大きな力を纏っていることに驚いた。それは薫の纏う力がこれまでに見たことのないくらいに崇高だったからだった。惹きつけられるように薫に吸い寄せられた田中はすぐに連絡先を交換した。
田中は現在、東京と奄美大島の両方を拠点にして仕事をしている。東京に出てくる気になったのは九条薫の存在があるからに他ならない。何故なら九条薫には神の力そのものが宿っているからだった。しかしそれを知っているのはシャーマン一族の中でも感性の鋭い田中聖修だけだった。
遙加はまだそのことを知らない。他に知っているのは天ヶ瀬くらいだ。
紅茶で一息ついたところで九条が話を切り出した。
「田中君、遙加にして欲しい事ってこの前話していた自動書記のことかな」
「はい、そうなんです。九条さんは何でもお見通しですね。その前に1つだけ確認させてもらってもいいですか?」
「もちろん構わないよ。君は信じるに値するシャーマンだからね」
「ありがとうございます」
遙加のことを話しているはずなのに本人への確認は一切無い。そんな遙の心の中は『??????』となっていた。
「場所はここで大丈夫?」
「はい、むしろこちらの方が何かに左右されずに正確な判断ができると思います」
そこでやっと遙加は声を出した。
「あのー、お二人はさっきから一体何を話しているのでしょうか。私にも分かるように説明してください」
遙加の言葉を聞いて2人は顔を見合わせた。
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