◇02. 酔った勢いでとかそんな馬鹿な

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◇02. 酔った勢いでとかそんな馬鹿な

 念のため、手を当てる。――うん。貫通した感触皆無。パンティも履いているからとりあえず無事ではある。  ということを確認すると猛烈な尿意がわたしを襲った。……そういや、昨日、最後にトイレ行ったのいつだっけ? そもそもいまって朝? 昼? カーテンから差す光が明るいことからするとあの翌日であろうが。  とりあえずはと。勝手にひとんちうろついて悪いなぁと思いつつも、抗えないので廊下に出て何度かドアを間違えてようやくトイレに到着。ふはーっ、すっきりしたぁーっ。……。 「あれ」  こんなところに辞書が。しかも広辞苑。……って。 「え。え……っ!?!?」  念のため手を洗ってきちんと拭いてから取り上げる。……と、中にはびっしりと蛍光マーカーで書き込みが入っている。受験生かいな。 (真島ックスのおうち、……なんだよね?)  言っておくが我々は編集者などではなく普通に。一般的なサラリーマンOLである。わたしは開発やってるけど。
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