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◇01. 推し作家がいるわたしの幸せ。【本編】
「真島ックス今日もぶち切れてたね。おっそろし」
「ほんとほんと」とわたしは鏡のなかの自分を見つめルージュを引く。「あれじゃあ竹中さんが可哀そうだよ。まだ慣れてないのに」
「名前呼び捨てするとか時代錯誤も甚だしいよね」と隣で頷くウェーブがかったぱっつんボブが似合いの加波。今日もお化粧バッチリ。「さっすが昭和の化石……」
「ほんとなんであの世代の男って呼び捨て好きなんだろうね。いまどき後輩を呼び捨てするとかパワハラじゃない?」
「労基に相談するとどう出るんだろうねえ……」
「さぁ?」とわたしはパウダーファンデをはたくとポーチに仕舞い、「さて。午後も頑張りましょうか。真島ックスの雷が落ちませんように」
――残念ながらわたしのこの願いは成就することなく。竹中さんは午後もがみがみと真島ックスに叱られていた。
* * *
帰りにスーパーに寄ると大根が一本98円で売られていた。うわぁ……欲しい……食べたい。
でも。
一人暮らしなのでこういうでっかい食材買うと使い切るの大変なんだよねぇ。あーあ。誰かシェアしてくれたらいいのにな。
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