◇01. 推し作家がいるわたしの幸せ。【本編】

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 小説はページコメントを受け付けない設定にすることも可能だが……。光先生はここのところ毎日18時にきっかり更新されていて、大体アンチの連中が日付が変わる頃までに書き込みをする。だいたい、5~6人くらいで十~十五コメント。さっきも言ったけど、そんなに先生の作品が気に入らないのなら読まなきゃいいのに。馬鹿な連中もいたもんだ。先生の作品の真の魅力も分からないくせして。  わたしは単なる読者のひとりに過ぎないので、陰ながら四度目読みをしたり……、そうそう先生はこないだ全作品累計一億PVを達成したそうな……数字もちゃんとご覧になられているのである。あとは、『スター』押しまくったり……ペコメは正直にハードルが高いので見守る勢。光先生がなにかつぶやいていたら真っ先に『いいね』を押す。 「くっはー今日の展開もたまんなかったなーぁ」くひひ、とスマホを手にして笑うわたし。「課長が下田(しもだ)くんの顎クイするとこなんか……かーっもうたまんないっ!!」  脳内に映像が浮かぶ。――黒髪で眼鏡のきりりとしたリーマンが後輩の下田くんの前に立ちふさがり、
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