◇01. 推し作家がいるわたしの幸せ。【本編】

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 てか、電話を取り次ぎして貰って事務の子が相手の名前を間違えても、結局鈴木さんは真島さんに名乗るんだから、どっちでもよくね?? って思うのわたしだけ??  はぁあ。真島ックスがまったく同じ部署の後輩だったら一言モノ申してやるのに。違う部署で、営業成績もいいし……英語はネイティブレベルなんだって……外大出てるし下手に喧嘩売るとこっちが恨まれるわ。光先生のアンチとおんなじで面倒くせえ。関わらない関わらない。  真島ックスがまた怒鳴り散らすのを華麗にスルーしながらPLの元へと書類を持っていくと、 「そういえば。……今日だったよね。井原(いはら)さんの送別会」  ……ああ。井原さん……真島ックスよりも先輩で唯一真島ックスに反抗できる最後の砦。結婚、おめでたで退職なさるとのことで……本人は幸せだろうが、いや、幸せを願うばかりであるが……にしても逸材の損失が惜しまれてならない。  わたしも、井原さんには可愛がって貰ったので、今回、幹事である加波のサポートに回るつもりだ。
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