はじまり

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 私はベッドから飛び起きて、カーテンを開けると、隣の和洋折衷な家から、手を振る人がいる。 「マイっち! 早よ起きや~!」 もう! もっと優しくしてくれてもいいのに! それからそれから…… 「びゃくやん!」 びゃくやんは、私の家の隣に友人たちと共にすんでいる。  身長はそこそこある。髪は襟にかかるくらいの長さで、さらさらだけど、朝日に当って、どこか銀色に見えてくる。 その瞳の色もだ。薄い茶色なのに、黒いフレームのメガネの向こうの大きな目には、睫がバサバサしていて、日の光に当たると、どこか銀色に見えてくる。 やや面長に薄い唇・・ そんなびゃくやんは、パーカーのパジャマ姿だ。 あぁっ♡ この顔大好き! ……でも、もっと優しくしてくれても…… 王子さまみたいに、優しく起こしてくれるとかさ。 せめて、口癖のように『めんどくさっ!』って言うのをどうにかして欲しいんだけどね……。
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