31人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は用意したものを全部胃に納めて、そしてフゥッとため息をついてから、こう言った。
「ヒガシノ。
お前はムカつくやつだ。
俺にあんなことさせやがって。
そこでだ。お前は俺に対して大きな借りある事はわかっているよな?
俺自身は、これからの戦いのため、今は少しでも霊力を使うことは避けたい。
だから、俺は『陽使い』の能力を使わずに、お前に言う。
あいつらの息のかかった贄師たちが、間もなくここにもやってくるだろう。
この場所と、隣の家のマイちゃんの家、そしてマイちゃんのミナコママを守ってやってくれ。」
そう言うと、ヒガシノはかなり驚いた顔をした。かと思うと、次には心配そうな表情を浮かべていた。
サクマと、ヒガシノ、そしてカクヤとハガネマルがいたら何の心配もないだろうが、こういう真面目ちゃんに確約させておくことで、こちらが安心できるのも確かなことだ。
「いくの?」
とヒガシノは言った。
俺はクローゼットを開けながら、その言葉を聞いて、コムジャのスラックスと黒のYシャツ、そして黒のロングコートを取り出して着こんだ。
「あぁ。」
そう答えながら、壁にかけてある鏡を見ていた。
最初のコメントを投稿しよう!