第四話:ホダカとアツモリ

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「おい!待てよ! 一人でどうする気だ? 『忘れさせ屋』もいないなかで、『拮抗』のマイちゃんにもなにも言わないと言うことは、お前はお前の命と引き換えにアツモリを助け出す気なんだろう? それは、あいつらの思う壺だぜ?」  あぁ、めんどくせぇ。 こいつもわかってねぇ。 アツモリのいない世界など、何の意味があるってんだ。  俺が全部にカタをつけてやる。 それに、『忘れさせ屋』がいれば、マイちゃんも連れていけるだろうが、今はあいつがいないから、守る奴がいないから連れてはいけない。 だから、俺だけでなんとかするんだよ。 「俺も付き合ってやる。今までの恩を返すためにもな。 しかもお前、あいつらの本拠地の『神無月研究所』がどこにあるか知らないだろう? それに、一人じゃ勝ち目がないぞ!」  そう言われて、はたと足を止めた。 場所は、呪術である程度調べることは出来るだろうが、今は霊力も体力も温存すべきか。 それに、こいつの能力で、早く現場にもつけるな。 しかし、勝ち負けなんざ、そんなことにはこだわってねぇんだよ。 アツモリさえ無事なら、他はどうだって良い。
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