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「おい!待てよ!
一人でどうする気だ?
『忘れさせ屋』もいないなかで、『拮抗』のマイちゃんにもなにも言わないと言うことは、お前はお前の命と引き換えにアツモリを助け出す気なんだろう?
それは、あいつらの思う壺だぜ?」
あぁ、めんどくせぇ。
こいつもわかってねぇ。
アツモリのいない世界など、何の意味があるってんだ。
俺が全部にカタをつけてやる。
それに、『忘れさせ屋』がいれば、マイちゃんも連れていけるだろうが、今はあいつがいないから、守る奴がいないから連れてはいけない。
だから、俺だけでなんとかするんだよ。
「俺も付き合ってやる。今までの恩を返すためにもな。
しかもお前、あいつらの本拠地の『神無月研究所』がどこにあるか知らないだろう?
それに、一人じゃ勝ち目がないぞ!」
そう言われて、はたと足を止めた。
場所は、呪術である程度調べることは出来るだろうが、今は霊力も体力も温存すべきか。
それに、こいつの能力で、早く現場にもつけるな。
しかし、勝ち負けなんざ、そんなことにはこだわってねぇんだよ。
アツモリさえ無事なら、他はどうだって良い。
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