はじまり

6/7
前へ
/315ページ
次へ
そして……。 「マイっち、おは。 なんやめっちゃバタバタしてたやろ? 右ほっぺに、朝パンのジャム付いてるで?」 そう、関西弁で言ったのは藤密 白夜(フジミツ ビャクヤ)くん! 愛しのびゃくやんだ♡  身長はそこそこ。髪は襟にかかるくらいの長さで、さらさらだけど、日の光に当たるとどこか銀色に見えてくる。 その瞳の色もだ。薄い茶色なのに、黒いフレームのメガネの向こうの大きな目には、睫がバサバサしていて、日の光に当たると、どこか銀色に見えてくる。 やや面長に薄い唇…… 大好きな顔だ。 「え?ウソ? 付いてる?」 そう言って両頬を撫でてみたけど、指にはなにも付かない。 「ごめんウッソ~!」 ウソだったの? もう! でも、恋人同士みたいじゃん! 嬉しいじゃん! ここは少し、女子アピールを入れるべきよね! そう思って、ほっぺたを膨らませて、 「もぅ!びゃくやん!」 そう言っていると……。 「おい! 『忘れさせ屋!』 朝から暑苦しい。」 と、隣のアツモリくんの烏帽子についた埃を払いながら、そう言うホダカくんだった。
/315ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加