プロローグ

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プロローグ

「行ってきます」みんなが登校する時間より一時間程遅く俺は家を出る。学校に着くと教室には行かずフリールームに入りそこで勉強する。これが俺の学校生活。俺の学年には別室登校が俺ともう一人しかいないから、いつも二人で喋っていた。同じ別室登校だし話しも合うから特に辛くなく、むしろ楽しかった。でもその子が学校を休んでいる日は、一人ですごく寂しかった。それに俺が行けなくなった教室にいるクラスメートがフリールームの近くの美術室に行くときに楽しそうな声がすると俺は、とても怖くなった。俺があの教室に戻るのはもう二度とないんだろう。ずっとそう思っていた。
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