デカダンな放課後

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窓を開いて 詰襟の封印を解き 理性の鎖を噛み切って リノリウムの床の冷たさよ 理科準備室から持ち出した 黄水晶(シトリン)は 君の手の中で眠る 僕達の腹部や大腿部に アダムの精液が妖しく光を放ち 葉擦れのような嗤いと 甘く囁く吐息だけが 微睡む意識の中で呼応する 僕達の放課後は消して終わる事は無い 窓硝子を割って ナイフで互いの蒼白な皮膚を切り裂いて 本能と欲望をより合せた糸で縛り合って 血塗れの僕達 音楽室のピアノの鍵盤が 君の細い指を求めている 僕達の永遠の放課後 教師達は知らない 他の生徒達も知らない 僕達は何も信じていない 僕達に未来は無い 僕達に希望は無い 屋上へ出ると 冷たい風が 僕達の未完成な細い躰に纏いつき 白い月の光が真っ直ぐに僕達に降り注いでいる 君は不意に黄水晶(シトリン)を放り投げる キラキラと光ってそれは 闇へ吸い込まれた 僕達はもう戻れない 僕達は堕落してゆく 頽廃の渦の中で身悶えながら 永遠の放課後のデカダンス
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