恋色コンフィチュール

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「ずっと、好きでした」  深夜二十四時過ぎ、誰もいない駅で見ず知らずの男から告白された。  仕事で疲れた身体を引きずるように下車した最終電車はあっという間に走り去り、駅舎の外に出た時、夜空に向かってため息をつく。そこまではいつも通りだった。  なのに、コンビニに寄って帰宅しようと考えていた矢先、足止めをくらったのだ。 「あの……」  戸惑い全開で口にした二文字が、静寂に溶けていく。  突然すぎて、返す言葉が見つかるわけもない。  それもそうだ。男から告白されるなんて、こんなシチュエーションは初めてなのだから。  **
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