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雪也の先走りは、後孔にまで流れていた。
澤井の指がそれを掬い上げて、マッサージする様に窄まりをなぞる。
ぴくん、と反応した雪也は、蕩けた目で澤井を見上げた。
「ん、ごほうび……ほし、い」
「たっぷり気持ちよくしてあげるね」
澤井はヘッドボードからローションを取り出すと、中身をゆっくりと雪也の陰茎に垂らした。
雪也の腰が刺激に跳ねる。
陰茎を伝った液体が、先走りと混ざり合ってゆっくりと狭間を流れていった。
「んっ」
澤井の中指が雪也の後孔を暴く。
ゆっくりと挿入された指は、根元までを難なく飲み込み、その内部の柔肉を指に絡み付かせた。
「ゆっくり広げるよ」
何度か指が往復し、慣れてきたところで本数を増やす。
三本飲み込む頃には、中に継ぎ足されたローションが泡立ち、ぐちゃぐちゃと音を立てていた。
「これ、使うね」
澤井が取り出したのは二十センチはある長大なディルドだった。持ち手を入れると三十センチ弱にもなる紫色の凶器で、澤井はぺちぺちと雪也の頬を叩いた。
雪也の目がディルドと澤井を交互に見やる。
大きさに慄くかと思いきや、何でもないことのように雪也はそっと口を開いてディルドを口に咥えた。
「そう、これからこれが、雪也の中にずぽずぽ入るから、ご挨拶しようね」
「ぁむ、ん、ちゅ、ふ……っ」
雪也の口を、紫色の無機質が出入りする。
唾液を絡めるように側面を舐め上げ、雪也は先程と同じように喉奥までそれを咥え込んだ。
人のものとは異なるものに奉仕する姿が、倒錯的に視界を占領する。
雪也は最後に一舐めして、おずおずと足を開いた。
「い、れ、て……?」
澤井の指で解されたそこが、物欲しげに収縮を繰り返す。
雪也は膝裏を自ら抱え上げ、強請るように澤井を見上げた。
ごくりと喉を鳴らしたのは誰だったのか。
「ゆっくり挿れるよ」
「んっ」
ディルドが雪也の後孔をそっと押し広げ、その縁を捲る。
僅かな隙間につるりと先端が飲み込まれて、雪也が短く息を吐いた。
傘の張った部分まで差し込んで、澤井は入口を執拗に行き来させる。
窄まった縁に太い部分が引っかかる度に、雪也は体を跳ねさせた。
「はっ、ぁっ、あっ、」
「気持ちいい?」
「んっ、もっと、奥、きて」
誘われるがままに、澤井がディルドをゆっくりと突き入れる。
数センチ進んだところで、雪也は大きく体を跳ねさせた。
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