座敷童

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※このページから2ページ性的な描写があります。 苦手な方は47ページにお進みいただくと話が途切れずに読めると思います。  松永に手を引かれ、初めて自分の意思で部屋から出る。  部屋の外には先生がいて、これでやっと隠居が出来ます、と雪也の頭を撫でた。すぐに松永に振り払われたが。  雪也は松永の車に乗せられて、ついに屋敷を出た。  運転する坂本は、涙ぐんで二人を迎えてくれた。  嬉しくて、切なくて。  雪也は車の中で松永にしがみついてずっと泣いていた。  二人の部屋に戻ると、松永は雪也を抱き上げてベッドの上にそっと下ろした。 「おかえり雪也」 「ただいま……美冬」  目を合わせて名前を呼び合うことが、こんなにも嬉しいなんて。 「おれ、がんばるから」  これから松永に抱かれることを予期して、雪也は嫌われないように頑張ろうと、緊張に体を固くした。  そんな雪也に、松永は微笑んで雪也の頭を撫でる。 「頑張らなくていい。淫乱なふりをしなくてもいい。おとなしく、俺を感じていろ」 「う……ん」  躊躇いがちに頷いた雪也に、松永は殊更ゆっくりと口付けた。 「は、ふ……」  松永が雪也の唇を舌で割る。その奥に引っ込んでいた雪也の舌を見つけて、松永は深く口付けて絡めとった。  唾液がくちゅくちゅと音を立てて耳を犯す。  口付けに夢中になる雪也を可愛く思いながら、松永はゆっくりと雪也の服を脱がし始めた。  脱がしたシャツをベッド横に放って、自分もシャツを脱ぐ。  下もすべて脱がせて、生まれたままの雪也が現れた。  全裸になった雪也が、全裸になった松永の下にいる。  何度も見ているはずなのに、酷く興奮する。  その時、雪也がおずおずと裸の背中に腕を回してきて、思わず抱きしめた。 「みふ、ゆ」 「乳首、弄って欲しいか?」 「ふあ……っ」  ささやいて耳に息を吹き込むと、雪也は顔を真っ赤にして体を跳ねさせた。 「ここ、触って欲しいか?」  膝頭で、緩く反応している雪也の股間を刺激する。  雪也はたまらないように体をくねらせた。  そして、蕩けた顔で、松永に強請った。 「ぜんぶ、みふゆがさわって」 「あいしてる」  松永は、もう一度ささやいて、雪也の肌に手を触れた。
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