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「…ス、ストップ!待って!」
「・・・・ダメ?」
「・・・・ごめん。また…今度」
ちぇ~と、苦笑しながら翼が身を離す。
また…やってしまった。
これで何度目だろうか… …
翼を拒んでしまったのは。
しかし、そのたびに翼は…
「・・・ごめんね?」
ぽつりと呟き、翼の背中にきゅっと腕を回す。
「しおりさん、気にしないで?僕ひとりシたくても意味ないでしょ?」
そう言って、笑ってくれるのだ。
翼との交際が始まって、2ヶ月以上が経つ。
マンションもお隣同士で、半同棲生活は続いていて
そういう雰囲気になることだって、もちろんあるのだが…思わず、拒んでしまうのだ。
翼のことはもちろん大好きだし、翼に触れられるのが嫌なわけではない。
しかし、翼に触れられると
どうにも鼓動が早くなり…
胸が苦しくなって…
何だか、怖くなる。
ーー… …情けない… …
情けなさと、翼への罪悪感から落ち込んでしまう。
「しおりさん♪僕はしおりさんが抱かれたい!って言っちゃうくらい、いい男になるよ~?」
と、天使の笑顔で、栞の頬にキスをくれた。
「ふふっ ばか…」
翼のその笑顔一つで、落ち込んだ気持ちも晴れるのだから…自分は心底、翼に恋してると思うのだ。
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