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「あんた…いい加減にしなさいよ!?いつまでうじうじしてんのよ!!」
「・・・そんな言い方しないでよ~」
「どう言っても一緒でしょ!つばさ君が気の毒すぎるわ!」
「・・・・」
同期の楪 美玲(ゆずりは みれい)が、そのお人形のように可愛らしい 顔を苛立ちに歪める。
美玲の言うことは、もっともなのだ。
「セックスを恥じらって可愛いのは10代までよ!
もう26だよ!?さっさと抱かれてきなさいよ!」
「・・・み、美玲さん?落ち着いて…」
ふんっ!と憤慨しながら、美玲が残りのサラダを口にした。
「分かってるよ…私がポンコツなことくらい」
しゅんっと本気で落ち込む栞を横目に、美玲がひとつ冷静を取り戻すための、咳払いをする。
「…初めてってわけじゃないんでしょ?」
「…まぁ…」
「その時は普通にできたの?」
「できたよー?…若さかなぁ?」
「はぁ?年齢のせいにするな!…ま、少しずつつばさ君の体に慣れていくってことで…せいぜい、他の子に取られないようにしなよ~?おたくの王子様は今、時の人だからねぇ?」
意地悪な笑顔を見せる美玲をじとっと睨む。
が…やはり相変わらず、美玲の言うことは的を得ているのだ。
「つばさ君がいるデザイン・製造部はうちの花形だからねぇ?デザイナーとかキラッキラで美人な年上ばっかだし~。セックスもさせてくれない栞なんて捨てられちゃうかもよ?つばさ君だって男なんだから!気持ちがなくても体だけの関係ってあるんじゃないの~?栞がさせてくれないから~って!つばさ君、甘えさせてくれる年上女子がお好みみたいだし?」
「・・・美玲の鬼!!」
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