〝震災を語り継ぐ〟星を見る余裕もありませんでした

私の記憶

　九月六日（木曜日）

　偶然、私は夜中に目を覚ましました。スマホを確認すると、十分ほどで午前三時になるくらい。

　さすがに、まだ起きるには早いと、こちらも偶然、目を覚ました家族と一緒に、もう一度寝ようと布団に改めて入りました。

　うとうとしていると、ダンプが走るような音がして、不思議だなと思った記憶があります。

　冬なら除雪で大型車が走ることも珍しくないですけど、季節は秋。トラックならともかく、ダンプが走る時間ではないです。

　でも眠かったので、不思議だな、で終わらせようとした時に、突き上げるような衝撃が来て、それで、ダンプではなくて地震の音だったと気づきました。

　「地震」

　そう言いながら横の家族の腕に触れると、まだ寝ていませんでした。

　「ちょっと大きいな」

　家族が言った瞬間、激しい横揺れが来て、思わずしがみついていました。普段は楽天的な家族も、かなり動揺しているのが分かりました。