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この辺りの記憶はあいまいです。
電気が消えた時間をはっきりとは憶えてません。
記憶にあるのは、電気が消えたので、スマホの灯りを頼りに、リビングにある懐中電灯を取りに行ったことだけです。
食器棚が倒れてなくて、中の食器が無事だったのは、本当に奇跡的な幸運だったと今でも思います。
懐中電灯を持ちながら寝室に戻って、いつも近くに置いているラジオをつけると、普段流れる深夜放送ではなくて、地震の速報でした。
かなり大きな地震が北海道を襲ったと分かりました。
でも、その時は、すぐに電気も復旧するだろうと思ってました。
九月で、五時くらいになると日が昇って明るくなります。そうなれば電気の灯りは必要ありません。
日が沈むのは、夕方の六時くらい……半日もあれば復旧するはず。確信があったわけでなくて、そう思いたかったのかもしれません。
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