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翌日、私とシモンは、ミレイアとホルヘに荷物と一緒につまれて街まで担ぎ降ろされた。
それはそれは恐ろしい速さで、二人とも人間離れしていることを思い知った。
ミレイアはいつもと同じ柔らかな微笑みで見送ってくれた。
ホルヘの表情は読み取れなかったが、あまり関わり合いたくはない。
「元気でねー!エルネストにもよろしくね」
「あれ、私、上司のことをミレイアに話したっけ?」
「あの人わたしの兄さんなんだよー。性格悪いでしょ。わたし魔王って呼んでたもん」
「魔王の妹は魔女ですよね」
シモンのつぶやきがミレイアに聞こえていないことを祈った。
「ふもとまで下りなさいって言ったじゃない」
「クロエさんにだけ手柄を取られるわけにはいかないですもん」
「何も聞けなかったよ」
「嘘でしょう?」
「まっぷたつにされたくなかったら忘れなさい」
私は、イエラ村であったことを詳しくエルネストに報告した。
そして心をこめて書いた記事の大事な部分は、あっさり握りつぶされた。
後々、私たちはこの取材が新人を試すためだけにある探索だということを知った。
私はまあまあ合格、シモンも村にたどりついたということだけでギリギリ合格となる。
思うことは色々あるけれど、降りつもるこの上なく美しい星石が胸の内で輝いている間は、私は記者でいられるのだろう。
【完】
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