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3.
私が歩いてる時によろけそうになるといつも、大丈夫? 気をつけて
と言ってくれた。
最近は言われてなかったけれど、付き合い始めた頃はきれいな美紀さんと
付き合えてうれしい、幸せ者だ、と彼はよく口にしていた。
「そうだね、剛士はラッキーだよ?
私なんていろんな人からお誘いがあるんだからね。
その大勢の中から剛士を選んだんだから。
私のこともっともっと大事にしないと、他の誰かに持ってかれるよ? 」
「うん、分かってる、ほんと大事にしないとね」
剛士の眼差しはいつもいつも私を崇めていた。
私といられる喜びに満ち溢れていた。
なのに、昨日いつものように食事していてもうそろそろ結婚しても
いいわよ、って私からお許しを出した途端……。
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