我が身

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我が身

海辺の砂が、少し盛りあがっている。 ニケさんが近づいてみると、ギリシア語でサモと書いてある。よく読めるように砂を、指でなでてどかした。すると、サモトラケのニケと書いてあった。 ニケさん(…私の名前?) あや「ん?何かあった?」 箱を指さしながら脳内に言った ニケさん(…ここに、私の名前が書いてある箱があるのよ、なにかしら?) ニケさんに近づいて箱の表を見てみる あや「…んー?俺にはなんて、書いてあるかわかんないけど、ニケさんに読めるなら、ニケさんのものなのかもしれないね。ちょっと開けてみたら?」 ニケさんは、おもむろに箱に手をかけ、開けてみる事にした。 すると、箱の中から真っ白いショートヘアに、綺麗なグレーの目をした、女性の生首がでてきた。 もう見ることなんて出来ないと、思っていたわたしの生首だ。何だあんがい近くあったのね。おかえり。 それから、ニケさんは、自分の生首をカゴに入れて、色んな海を見に行く旅にでた。
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