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それから、装置についてアンから詳しい説明を聞く私。
アンの説明は細かく丁寧で、どんなに些細な事柄でも、ちゃんと解説してくれた。
お陰で私は、何の不安もなく、装置に入り込めたのである。
装置の中に横になり、ヘッドセットを装着する私。
私はそこで、最後にアンからアラームのセットの仕方を教わる。
「そのアラームはね、中からしか設定出来ないの。目覚まし時計と同じだよ。ちゃんと設定しないと起きられなくなっちゃうから、絶対に忘れないでね?」
「ええ、分かったわ」
アンに教えられた通り、アラームを最長ーー1週間後にセットする私。
そうして、私はそのまま横になると、静かに瞳を閉じた。
スライドドアを閉める間際、アンが何か呟いた様な気がするが、きっと気のせいだろう。
「行ってらっしゃい、可愛い魂の迷子さん。どうか一時だけでも良い夢を」
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