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サークル1
「ふ〜やっと授業が終わった!」
「そんなに長くなかったでしょ。ところで紺はさ、サークル何にするの?」
「まだ決めてないよ、詩織は?」
「私は、ハリーポッターと、タラ・ダンカンにするつもり」
「私もそうしよっかな。でも、街トムもいいんだよな。」
「じゃあさ、ハリーポッターと、街トムにすれば?私は、タラ・ダンカンと
街トムにするから」
「じゃあそうしようかな。」
〜サークル〜
今日は、街トムサークルの体験入部の日。
早速、詩織を引っ張ってやってきた。
「「なにこれ!」」
なんと、サークル塔の中にビルがあったのだ! 横には、しっかり卓也さんの車まで完備。
車にもたれて転職雑誌を読んでる人がいる。もしや、卓也さん?
(後でわかったけど、この卓也さんは、SFサークルのロボット班に作ってもらったもので転職雑誌は、文芸部に書いてもらったものなんだって。
凝ってるよね。)
街トムサークルの塔は、たくさんあるサークル塔の中でも特に大きいことで有名だったけど
ビルが入るほどとは...…。
ここまで再現されていると、なんだか嫌な予感がする。
嫌な予感を抱えながら、詩織と一緒に、ビルの隙間に入っていく。
隙間を抜けると、そこには、ワトソンの鍵が。
その鍵を取って、扉を開けると。
「うっ、ここまで再現されてるの」
私はこんなことだろうと、予想がついてたからあまり驚かなかったけど、
詩織はめちゃくちゃ驚いてる。
もしかして、これがサークルの入部テストかな?
サークルの入部テストがあるとは聞いていたけど、それだけのためにこれを!
「こんなのを作っちゃうなんて!さすが、東雲 レイラさんが入っているだけある。」
詩織も同じこと、考えてたみたい。東雲 レイラさんというのは、この学園屈指のお嬢様。
今は確か、経済科に入ってるはず。この学園には東雲さんみたいな、政治家の娘や、芸能人の息子、大学教授の娘なども入っている。理由は、経済科や科学科などに入ると、文章に関わる勉強だけでなく、書く分野に関わる知識も、教えてもらえるからだ。
だから、この学校からは小説家だけでなく、科学者や、政治家、起業家なども
輩出している。そんな、英才教育を受けてきた人の中でも、東雲さんは成績トップ!
それにプラスして、この学園の生徒会長。しかも、超美人さん。
まさに、才色兼備を形にしたような人。でも、ちょっとだけ悪戯好きなのが欠点。
そんな東雲さんが作った罠だから、もう、突破するのが大変。
そして、ようやく突破すると、そこには、街トムの「砦」そっくりの場所が、
凄い!!
そして、いつも創也が座っている席には、東雲さんが。柚先輩も綺麗だったけど、東雲先輩はまた違うタイプの美人さんだな〜。
ここで紅茶を入れる事があるのだろう、紅茶の香りが漂ってる。
東雲さんが、振り向いて言う。
「おめでとう、合格よ。なんの役になりたいか決めてね。」
よっしゃ〜受かったぞ!詩織も嬉しそうな顔をしてる。
なんの役になろうかな?
よっし、決めた
「真田女史役がいいです。」
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