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ラピスはとても真面目な少女。きまりは守るし、逆らうこともない。勉強も習い事もさぼることもない。優等生、お手本といえばラピスと言われるほどだ。
ラピスには7つ上の兄がいる。アンバーという名で、少々不真面目な17歳。けれど人気がある。ラピスはそれが不思議でならない。
「兄上、聞きたいことがあります」
「なんだ?」
「兄上は課題もさぼったり、きまりを破ったり、お父様やお母様にもよく怒られるのにどうして嫌われないんですか?」
「世界は真面目なだけじゃ渡れないからだ」
「よく、わかりません」
「そうだろうな」
ラピスは不服そうにアンバーをにらんで、これ以上教えてもらえないと感じて部屋に戻った。
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