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もやもやとしながらラピスはいつも通りの日々をこなす。学校へ行き、すべての授業を真面目に受け、まっすぐ家に帰り、習い事をし、宿題と次の日の予習をして、決められた時間にベッドに入る。それはずっと続くと思っていた。
「兄上!」
ラピスは涙で濡らして真っ赤な目でアンバーの部屋に飛び込んだ。アンバーは少し驚いた顔をしてラピスに向き直った。
「何事だ?」
「っ、つ、つまらぬ者だと、言われたのです。宿題をやらないのはいけないことだと言ったら」
「あぁ、なるほど」
「おかしいではありませんか! 宿題はやらねばならぬものですし、ましてや授業をさぼろなどと!」
アンバーは泣きながら怒る妹を見つめてしばらく黙り込むと、ひとつ問いかけた。
「ラピス、お前はつまらないと言われたことが嫌なのか、相手の言うことを聞かせたいのか、どっちだ?」
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