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「よし」
ラピスは学校帰り友達と別れてから強い決意を込めて顔をあげた。寄り道をしてみることにしたのだ。とりあえず信号が青なら真っ直ぐ。赤なら別の道へ行く。そういうルールを作ってみて、いざ!
いきなり赤信号。少し迷っていつもは入らない公園の中へ。木陰が涼しい道をドキドキしながら歩く。少し先に開けた場所があって、綺麗に手入れされた花壇があった。赤、白、黄色、オレンジ。大きな太陽の絵みたいだ。見惚れているとハープの音と歌声が聴こえてきた。導かれるようにそちらへ歩いていくと若い男の人と女の人が音楽を披露している。人が集まってきて楽しそうに手拍子をしたり、体を揺らしている。
公共の場所で音を立てるのはダメだと思っていたけれど、なんて楽しそうなんだろう。歌っている人もハープを爪弾く人も聴いている人達も。ラピスも一緒に混ざって楽しんだ。
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