常識と本音

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常識と本音

学校帰りのある日 僕の友人が僕の目の前で刺された。 僕は一生懸命彼を庇ったけど、彼は刺されてしまった。 僕らのあとから、追いかけてきていた君が 僕達のことに気づいて僕達は助かったんだ。 君は、彼を刺した奴らが逃げた後に 青白い顔をして僕を通り越して彼に抱きついたんだ、そして、彼の傷を庇いながら君の家に連れ帰ったんだ。 『僕が刺されれば、良かったのに。』 って僕に囁いてから、そのときに僕は君が僕のことを蔑んでいることを知ったんだ。 そしてね、同時に、君が僕の友人ではないことを知ったんだ。 いつもはもっと上手く取り繕っていた君が、彼が怪我を負って動転していたから、僕に隠していたホントウを告げたんだろ? 大丈夫だよ、僕は。 だって、元々そうゆうモノなんだもん、今更言葉一つ目線一つくらいでなにも変わらないよ。 だから、彼が君以外と居られなくなっても、僕は構わない。 むしろ、今まで君達の邪魔をして居たことを謝りたいくらいだ。 だからね。彼が僕を忘れて、憎んでくれた方が、皆の利益になるだろう? こんなことを告げたら、いろんな人にきっと 「おかしい」って「狂ってる」って言われるんだろうな。 でも、僕にはこれが常識だから、分からないんだ。 皆にとっての、常識ってものが。 だって、誰も「倫理観」なんて教えてくれなかったんだ。 要らない僕に、そんなもの必要ないしね? わからない方が都合も良かったしね? だから、君がそんな顔をして僕を見ることはしなくていいんだよ? そんな真っ青で泣きそうな顔をしなくていいんだ。 こんな僕の為にさ?
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