君のことが知りたい

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君が残したルールの中に君はいない。 そんな虚しさと戦う日々の中で、彼女のルールを引き継いでくれた新しいインターンや社員達と目の前の仕事に向き合った。 その結果がようやく現れたのが、雨音が僕を訪ねてきた日。 あの契約こそが、僕が目指していたもの。 それを手にさえすれば、僕は雨音の愛を手にする資格が得られると、本気で信じていた。 だから、僕はあの時、のん気にもこんなことを考えていたんだ。 「雨音とデートをするなら、どこがいいだろうか?」 まともにデートをしたのは1回だけ。 それも僕の趣味の鎌倉。 でも考えてみたら、僕と雨音は10歳も離れている。 そして僕が知っている雨音は、不器用だけど他人に気遣いができる優しい女の子だ。 だから、あの鎌倉も僕に合わせてくれたのだということは分かっている。 今度は、僕が彼女のリクエストに応えたい。 そのための準備はすでに整えていた。 あとは、彼女に連絡をするだけ。 そんなタイミングだったのだ。 彼女が、僕の前に現れたのは。 そして彼女は泣きながらこう言った。 「社長、嫌いになってもいいですか?」 と。 僕は、きっと何かを間違えたのだろう。 でも、僕はまだ本当に意味では分かっていないのかもしれない。 何故、君が僕にそんなことを言ったのか。 その理由が、いまだに掴めていないから。
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