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毎日が幸せで、なんだか夢を見ているような気分になってしまうが――幸い、夢ではないらしく、日々僕は、ロベルトに溺愛されている。僕とロベルトの関係を知ったお祖父ちゃんも応援してくれているし、僕の両親もニコニコしっぱなしだ。また、ロベルトのご家族にもご挨拶したが、『最近少し息子が柔らかくなった』として、僕のおかげだと褒めてくれた。そんな事は無いと思うんだけれど、ロベルトの優しさを誰よりも知っているのが僕らしいというのは、ちょっと過ぎたる幸福である。
このようにして、僕とロベルトはその後婚姻も結び、同じ家で暮らすようになった。今度は、僕もまた家賃を払う立場に代わったので、祖父が訪れる度、僕はロベルトと折半している家計から、金貨を払っている。家事はほとんどロベルトが行ってくれるのだが、僕の方が圧倒的に暇なので、最近の僕は、少しずつ料理を覚えようと心掛けている。溺愛されている僕だけれど、僕だって愛情を返したいからだ。特に、ロベルトが魔獣討伐の遠征に行く時は、不安な心情で見送りつつも、帰ってきた時にホッとしてもらいたいから、ロベルトが好きだと言ってくれたクリームスープを作るようにしている。
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