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二人で雪苺を食べながら、僕達はその日を終えた。
――この王国の人間は、基本的に、全員が魔力を持っている。なので、魔術師は全然珍しくない。一方の、剣や槍、斧の使い手というのは、訓練やある種の才能も必要だとされ、尊敬されているし、地位も高い。
なお世界は平和であり、大陸内部で、人間同士の戦争などもう三百年は発生していない。王立騎士団が討伐する相手というのは、基本的に魔獣であるし、活躍する場はそういった魔獣や自然災害への対応となる。
僕が採用試験を受けようと考えているのは、王立騎士団の中の、第五騎士団である。第五騎士団は、魔術師のみが所属する。主に裏方任務が多くて、華々しく魔獣討伐をする第一から第三の騎士団や、王都の警備専門の第四騎士団、国境沿いの警備をする第五騎士団、災害対応の専門家の集まりである第六から第八騎士団の全てに対して、人手が足りない時は助っ人として向かうが、平時は一番規律が緩い事で評判の――何でも屋的な存在が、第五騎士団だと聞いている。
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