塩評判は当てにならない。

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 指定された日時に僕が邸宅に向かうと、前回同様青年が顔を出した。今度はすぐに出てきた。僕を見ると、細く長く吐息してから、彼は麻袋を取り出した。 「確かに。それとこれ、雪苺のお礼です。それと祖父もお礼を伝えて欲しいとの事でした! 本当に有難うございました!」  僕がカゴを渡すと、青年が緩慢に瞬きをしてから、唇の方端をごく小さく持ち上げた。 「こちらこそ礼を言う。逆に気を遣わせてしまったようだな」 「いえいえ! それでは、失礼します」 「ああ――っ、く」  その時、不意にロベルトさんが、右手で左の二の腕を押さえた。辛そうに吐息したのを見て、帰ろうとしていた僕は、目を丸くした。 「どうかなさったんですか?」 「少し、仕事でミスをしてしまってな」 「え?」 「この程度問題は無い」 「だ、大丈夫ですか? お怪我ですか?」 「ああ、どうという事は無い切り傷なんだが……」 「痛み止めの魔法薬、医療院から貰ってきます?」    咄嗟に僕が提案すると、思案するような瞳をした後、ロベルトさんがじっと僕を見た。 「頼めるか? 丁度、魔法薬が切れてしまったんだ」 「ええ。待っていて下さいね!」
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